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冷え性の本当の原因

外的な冷えにさらされることによって体内温度が低下する冷えももちろん存在しています。
ただし通常は自律神経が身体の冷えを検知して血流量を増やし、体温を上げるように調整しています。

外的要因で発生する冷えは、自律神経や治癒力が正常に働いていれば自然に回復するのが身体の本来の機能です。
つまり最初は外的冷えから身体の冷えが発生したとしても、それを改善して温められない身体の機能に問題があるということ。

その身体の機能が正常に働かないことによって起こる冷えに幾つかのタイプがあります。

タイプ1:氣や血の虚(量的不足)による冷え

東洋医学では身体を構成する要素を「氣」「血」「水」としています。
特に氣と血は全身を巡り代謝を活性化させて温める働きがあり、これらが量的に不足すると冷えを生じます。

一般的な血液検査のデータ上では貧血ではない(赤血球の数値に異常が無い)と判定されても、
フェリチンという鉄を保存するたんぱく質が低下している「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)」が増加しています。

フェリチンは一般的な血液検査では測定されませんので、貧血傾向の症状などが氣になる方は医療機関で検査をお願いしてみましょう。
またこのタイプは朝が苦手、午前中がずっと調子が悪いなどが起こりやすいものです。不登校などの原因となる起立性障害などもこのタイプに見られます。

タイプ2:氣や血の滞りによる冷え

氣、血の流れが滞ると全身のエネルギーの代謝が低下し冷えを生じます。

滞りは様々な原因で発症しますが、多くはイライラ、仕事のプレッシャー、時間に追われるなど、精神的緊張から血管の収縮が起こり、滞りが発生します。

また糖分や脂質の過剰摂取などが血液を濃くし、氣血の滞りの原因になります。

タイプ3:水の停滞、水分過多による冷え

水は陰氣であり、熱を抑制するものです。
体内の水分が多くなると熱産生が低下して冷えを生じやすくなります。

また血液が薄くなることで全身に運ばれるエネルギーが相対的に減少して冷えを生じます。

タイプ4:弛緩作用の低下による冷え

近年米の消費量が減少を続けているそうです。
東洋医学では白米は「弛緩」と「安定」作用があるとされています。

収縮を緩和する、衝撃を和らげる、氣を安定させる作用が高いのが白米の特徴です。
その白米などが著しく減少すると収斂作用が緩和されず、血管や組織が継続的に収縮しやすくなります。

糖や炭水化物がガンなどの餌になる、少食が体に良いなどの情報の影響、ダイエット目的などによって白米を避ける方があります。

あまりに減らすと氣が高ぶり神経の働きが過敏になったり、氣が安定せずショックに弱くなり緊張しやすくなる、ということも考えられます。
ほどほどには摂取していただき心身の状態を中庸にする、というのが東洋医学的な健康観です。

現代に多い冷えの原因 タイプ2

現代社会は仕事、人間関係、社会的影響など、緊張や神経興奮、怒りや不安などを引き起こしやすい環境にありますので交感神経の興奮が起こりやすく、これによって末端の血管が収縮して冷えを生じます。

冷え性の多くは末端の冷えだと思いますが、交感神経興奮によって末端の血管に収縮が起こる、元々細い血管なのですぐに血流障害を起こします。
また高カロリー食やアルコールなどの神経を高ぶらせる食事、購買意欲を高めるCM、パソコンや携帯電話などなど、交感神経を優位にさせる要因も日常に溢れています。

人間の身体は、緊張や不安、鬱傾向が強いとそれを危機と判断します。危機回避の反応として交感神経が優位となり、組織や血管を収縮させ心身を臨戦態勢にします。

怒りや精神興奮による交感神経優位は、これらの感情が一時的なもののため長続きはしません。
ところが不安や鬱傾向などは直ぐに回復するものではなく慢性的に続くことが多いものです。従って機器回避のための交感神経優位も継続的に起こりやすくなり末端の冷えの原因になります。
怒りや興奮が交感神経を昂らせるというのは分かりやすいのですが、不安や鬱が交感神経を優位にさせるというのはあまり気付かないことなのではないでしょうか。

更に飲食や電子機器なども交感神経を優位にするため、副交感神経が優位になる時間が少なく、収斂作用が緩和できずに継続的に血管や組織の収縮が起こり、血流が減少して冷えが起こります。

「氣が上がる」「氣逆」は自律神経失調の兆し

東洋医学では「頭寒足熱」を健康の基本と考えます。
頭には下半身から陰氣が供給されて脳や神経をクールダウンさせ、足元には上半身から陽氣が供給され冷えを予防します。

この陰陽の循環のバランスが崩れて
「氣(陽氣)が上がる」または「氣逆」という状態になると頭が熱を持ち、足元が冷えて陰氣と陽氣が交流しにくくなります。

これは「頭寒足熱」とは全く逆の状態ですね。
このような状態は西洋医学的にみると「中枢神経の乱れ」や「自律神経失調」に相当します。

特に脳神経の興奮や交感神経優位になりやすく、血管や組織を収縮させて冷えを生じさせます。
現代人に多い「冷え」は温活だけでは改善しにくい
血管や組織の収縮による血行障害で生じる「冷え」。

これに対してサウナや岩盤浴などで外部から温める、もしくは温める性質がある生薬や野菜を摂るというのは、一時的に温める効果はあっても根本的改善にはつながらないケースが多いものです。
それどころか交感神経が優位になっている上に更に強い熱を与えるのは体調を悪化させることにもなりかねません。

「温活しているのに体質改善にまでは至らない…」このようにお感じの方が多いと思いますが、それはせっかくの温活が根本的な原因の解消になっていない、ということかもしれません。
 
だからと言って温活が全く無駄なわけではありません。温活をしながら根本原因を改善するように心がければ温活の効果も十分に発揮されるでしょう。

冷え対策に必要なのは緩めること!緩むこと!

ここまでお読みいただくと、「冷え」は外部からのものではなく、過剰な緊張やそれに伴う「収斂」から起こっているということがご理解いただけたのではないでしょうか。
つまり現代人の「冷え」を根本的に改善するためには「温活」よりも「緩活(ゆるかつ)」が必要である!ということなのです。

ではどうすれば緩めることができるでしょうか?
「緩活(ゆるかつ)」って何をすればいいの?
緩めるといっても何をしていいかわかりませんよね。

ただボーッとするのもいいのですが、氣を降ろし副交感神経を優位にして心身ともに効果的にリラックスする方法をご紹介します。

瞑想によって交感神経の興奮を穏やかに

瞑想は心を穏やかにし、緊張を解き、ストレスを軽減させます。
方法論にこだわらず「静」の時間を持つこと。
1日15分でもいいので行ってみましょう。
いろいろ考えて頭が休まらない場合は呼吸だけを意識してみてください。

呼吸法

呼吸のうち、吸氣は交感神経を優位に、呼氣は副交感神経を優位にさせると言われています。
従ってゆっくり静かに息を吐き、呼氣の時間を長くすることによって副交感神経が優位になり、心身が緩みリラックス状態になります。

十分な睡眠

睡眠中は副交感神経が優位になるため睡眠をしっかりとり、副交感神経優位の時間を長くするように心がけましょう。

 緩める作用のある食物を摂る

白米や自然の穀物の甘みは心身を緩める作用を持ちます。これらを摂取することも心身のリラックスに繋がりますので、あまり厳密に禁じないでほどほどに摂取してみてください。

目の使いすぎに注意!

東洋医学では目は肝臓に配当されます。その肝臓が心身を収斂させる働きを担っています。
従って目の使いすぎは肝臓の機能を高ぶらせてしまい、血管や組織の収縮を助長してしまいます。
目はこまめに休ませてください。

足湯

足湯は温める効果もありますが、氣を降ろして神経を安定させ副交感神経を優位にします。

呼吸法と並んで緩める効果が非常に高いので1日1〜2回行いましょう。

自分を褒める

日本人には調和と平和に欠かすことができない「謙虚さ」という素晴らしい氣質があります。ただこれは行き過ぎると「自己否定」につながることもあります。自分を肯定し、自分を愛し、自分を褒めること、こういう意識が心身を深いところから緩めます。

東洋医学では「心臓に神が宿る」とされています。神とは精神、神経、魂、潜在意識などを表しています。

その神が宿る心臓、胸に手を当て自分を誉めてみましょう。胸に語りかけるというのは
自身の潜在意識とコミュニケーションをとる方法でもあります。

言葉や内容はしっくりくるものを見つけて頂いたら良いでしょう。

とにかくは自分をねぎらう、自分を褒める

これを続けていくと自信が持てるようになり、心配や緊張、ストレスを軽減することができます。

また潜在意識が求めていることが健在意識にのぼりやすくなり、それに従うことでリラックスして行動しやすくなります。

いずれも難しいようであれば「私は絶対大丈夫!」と自分の胸に声をかけてください。
子供の自信を養うのは、親の絶対的な愛情です。

「何があってもあなたの味方だよ」「あなたは絶対に大丈夫!」

という親の言葉が子供に絶対的な安心感を与え自信を育みます。

それと同じく、自分の心、魂に、
「私は絶対に大丈夫!」と語りかけることで心が安定し緊張がほぐれます。是非行ってみてください。
治療について
治療は冷えの原因がタイプ1〜タイプ4のいずれに相当するかを脈診、舌診、望診などの東洋医学的診断法によって診断し、それに見合ったツボや周波数を選択してオリジナルの治療を行います。

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